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所長コラム

8月:今も昔も

更新日:2019-8-1

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所長
内山 隆久

寛和(986年)頃のはなし。

「夏の公事の日に、紫宸殿の北戸を披(ひら)きて涼風を帯びらる」。藤原兼家が襟首(袵おほくび)の紐を明け放って一条院を抱き上げた。「脇戸よりさし出ださしめ給ふに、諸卿皆敬ひ候ふ。私(ひそ)かに云ふ。此の儀あまりなり。」

夏の暑い日に紫宸殿の扉を聞いて涼しい風を送り込んだ。この時、藤原兼家が幼少の天皇を抱き上げて、脇戸か ら外を眺めさせた。居益ぶ諸侯は、一応は平伏して見せたが、腹の中では、乱れた姿で幼少の天皇に接するのは、礼儀を失すると感じている者が多くいた。注意の言葉もかけず、陰であれこれと悪口を言うのは、いつの時代でも同じのようだ。

また同じ頃、兼家は烏帽子(えぽし)を被ってはいるが、衣服の紐は結ばず玄輝門から入った。近くに住む孫娘の家で冠を改め、正装姿で入内した。蔵人頭の実資(さねすけ)に「門の辺において逢い奉るに、深く揳(いつ)して居せず。入道殿(藤原道長)袵(おほくび)を指して礼節をせしめ給ふ。」

実資に会った兼家が路答礼をしない。摂政である実資は冷静で怒ることも無く、居を正し礼節を尽くして挨拶をした。対照的に、兼家は大物ではあったが、何とも反応の鈍い、組野で無作法な人。何処にもでも見られる光景ではある。息子の道長が、実資の礼節を守り、綱紀を引き締めた。「古事談」では、兼家の顛末を語ってはいない。

「大鏡」によると、兼家は別邸の法興院(ほこいん)で病を得、「御枕上なる太刀をひき抜かせたまひて」物の怪と 争うなど、理解しえない行動を繰り返して失せたという。

華やかな世界の裏が垣間見えるものがたりである。

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